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「◆FF4 カイン夢小説」
恋のかけら(長編)

FF4 恋のかけら 28

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Final Fantasy IV・Dream Novel
恋のかけら・28



建て付けの悪い扉を開けると、埃っぽい空気が漂ってきた。
「あーあ、案の定。埃だらけ」
窓を開けソファーの埃を叩き、空気の入れ替えをする。闇夜から懐かしい草木の香りが入り、鼻腔を掠めた。
「大分散らかっているな」
カインはテーブルの上に溜まった埃を払うと、長椅子にどかりと座り、テーブルに残されていたバロン国の機関誌を手に取りパラパラとめくり始める。
「…ゴルベーザ、か」
自分が去った後、バロン国では何が起こっていたのかその記事で大方理解ができた。
そして失踪したセシル捜索の記事を読み始める。
「何も支度しないで出て行ったから、もしかして空き巣か泥棒が潜んでいるかもしれない」
台所の埃を拭きながらエミルは笑う。
「大丈夫だ。今泥棒が出てきたら俺が追い払ってやる。ちょっとした用心棒だろう?」
「どうだか…」
「お前だけの用心棒だ」
「笑わせるな」
いつの間にか背後にカインが立っていた。
それでも振り向かず、エミルは台所に積もった埃を拭いている。
「シドも久し振りに娘さんの所に帰れたかな」
「ああ…」
撫でるようにゆっくりとエミルの腰に触れると、その動きに反応してピクリと身体が震えた。
「セシルは……んっ」
腰にあてた手を徐々に撫で回しながら下に降りていく。その艶めかしい動きにエミルの唇から小さな喘ぎ声があがる。
無言でカインは太股に手を這わし、丈の短いパンツから下の素肌に触れる。すると斬られて間もない小さな傷に気が付いた。
指を抜くと鮮血がこびりついている。
「エミル…」
「え…」
「服を脱いでみろ」
「ぬ、脱ぐ?!」
突然の言葉にエミルの顔が真っ赤に染まった。
「お前、いくつ傷を作っているんだ?セシル達とゾットの塔に登った時か?」
「え、あ、そう、かな…あの時は無我夢中だったし…でも傷ならローザが治して…」
しどろもどろとエミルは言葉を濁していたが、カインは明らかに苛ついて大袈裟に溜め息を一つついた後、エミルの汚れた服に手をかけた。
「やめて、カイン…!」
エミルの小さな抵抗も虚しく、カインは無理矢理に服を脱がすと荒々しく床に放り投げた。
下着だけの姿になり、エミルは慌てて胸を隠すが、その部分にも大きな切り傷があった。機械兵器の攻撃を避けた際、刃物が掠ってできた傷だったが、セシル達には心配をかけまいと隠していたものだった。
「だ、だめ…見ないで…」
傷口は血が固まり粗方塞がっていたが、そっとそこに指を這わすと、エミルの肩が揺れた。
「…馬鹿だな」
「うるさい。どうせまた未熟者とか言うんでしょ」
「まぁ、そんな所だ」
エミルの両腕を強引に掴み、上に持ち上げると、蝋燭に照らされた白く華奢な裸体が浮かび上がった。カインの視線が痛くて顔を背けてしまう。
「綺麗な体に傷をつけるな…と、言いたいところだが、明らかに俺のせいだな」
「気にするな。私はバロンの戦士なんだから、こんな傷位で狼狽ない」
「ああ、そうだな…お前は俺よりもよっぽど戦士として働いている…な」
カインは何か迷いがあるのか、微笑し小さく呟かれる。
エミルはそれを確かめようと、カインの瞳を覗くように顔を近づけたが、突然後頭部を掴まれ強引に唇を奪われた。
「ん、んんっ…」
舌を絡め、強く吸われて言葉が出なくなる。唇をずらせば漏れるのは喘ぎ声だけ。
「…ぁ、ん…」
尚も深く口付けを求め、息をするのも辛くなってきた。
「やめ…くるし…っ」
苦しさから逃れようと両手でカインの厚い胸を押すと、彼もまた息が上がっているのが判る。
その手を掴まれ、強引にカインの下腹部に誘導されると、おずおずとそこに触れる。既に堅くなり熱く滾っていた。 
「…熱い…」
恥ずかしさに思わず手を放し、顔を真っ赤に染めながら目線を逸らすが、胸の動悸がおさまらずに熱い息をつきながらカインに寄りかかる。
「お前を抱きたい」
腰を撫でられ、耳元で囁かれる。
「何を、今更」
改めて言われるとおかしくなってしまい、エミルは思わず悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「今更だが、改めて言いたい」
「え…」
顔を上げ、カインの瞳を見る。
先程の不安な色はなくなり、澄んだ碧眼がエミルの姿を映している。
「お前が…大事だ」
「私も、カインが大事」
両腕をカインの広い背に回し、子供をあやすように優しく撫でた。
「すまない…」
何を謝るのか、とエミルが尋ねる前に強く抱き締められた。
「俺はゴルベーザに全てを操られていた訳ではない。弱い心が、迷っていた心が隙を作り、そこをヤツに憑かれてしまった」
「うん…」
「何度も辛い思いをさせて、すまない」
「そんな事…」
「お前が酷い目にあっても何もできなかった俺を今更許してくれとは言わないが…」
「そんな、気にするな…カイン」
背に回したカインの手が微かに震えている。
「せめて…お前の傍で守らせてくれ」
「……」
カインの腕を掴み、自分の手と重ねて握り指を絡ませる。少しでも震えが止まるように。
いつもなら『私がカインを守る』と返していた所だが、今はただカインの胸に自分の身体を委ねた。
「俺は…」
こんな雄弁なカインを見るのは初めてだったから。
何かを詫びるように、懺悔するかのように、目を伏せ、その長い金の睫が蝋燭で陰影を作り、美しく表情を彩る。
「カイン…?」

「お前がこの世で一番大事だと、俺は気付くのが遅かった」

エミルの瞳が大きく開かれる。
同時に絡めた手を引かれ、そして二人はその場に崩れ落ちていった。


背に感じる冷たく堅い木の床の感触が、何故か素肌に心地良い。
一糸纏わずに互いの身体を抱き合い、優しく触れ合う。
「あ、はっ…!」
エミルの胸の傷を優しく舐めると、彼女の唇から甘い声が上がった。
「滲みるか?」
「そんな、こと…ぁ」
「感じているのか」
クスッとカインは意地悪く笑う。
「ば、馬鹿!」
頬を膨らましながら、片手でカインの一つに結ばれた髪に触れると巻いていた紐を引く、すると長く豊かな金髪がサラサラと解け、エミルの頬にかかった。
そのまま髪に指をさし入れ、頭を引き寄せてカインの唇を奪う。
甘い口付けを繰り返し、微かに水音が漏れる。
そして互いの傷口を舐め合い触れ合うと、傷の痛みさえも悦びに変わっていく。
僅かに血の味がした。
「これじゃ背中に傷ができてしまうな」
カインはエミルの背と床の間に手を入れた。少しでも痛まないように。
「そんなの…」
「運んでやる」
そのまま背に差し入れた腕を持ち上げ、エミルを横抱きにすると、ベッドへと運ぶ。
ふわりとした柔らかいシーツの感触を背に感じ、何故か安心する。
「今日は…優しいんだな」
両手でカインの頬に触れ、長い前髪をかき分け梳く。
「そうか?」
そのまま腕を下げカインの広い背中に回す。
「最近、強引…だった…んっ」
エミルの胸を掴み、頂を愛撫するとビクリと体が跳ねた。
「足りないのか?」
「そんな、こと…」
耳元で吐くカインの呼吸が荒くて早い。
「…これからもっと…お前を求めるのにな」
「ん…」
ベッドの上で抱き合い、二人の愛撫は止まらなかった。
息が熱く上がった頃、カインはエミルの太腿を持ち上げる。そして濡れた蜜の中に堅くなった己を突き刺すように勢いよく入れた。
「…!!ああっ!い、た…っぁ!」
「我慢、しろ…」
痛みが全身を駆け巡り、ふるりと身体を震わせ荒い息を何度もつく。
カインも眉根を寄せたまま動かずに、じっと馴染むまで待っていた。
「あっ、あ…はっ…!」
「……っ」
下半身を支配する大きな塊に捕らわれ、少しでも動くとその圧迫した存在感に悦びを感じて、何故かエミルの瞳から涙が溢れた。
「どうした、辛いか…?」
「…違う…嬉しい…っ…嬉しい、だけ…」
彼を身体全体で感じている。
戦士じゃなく、女としてカインを愛せて良かった。
「私…自分が、女なんて、非力で煩わしいなんて…思ってたのに」
「……」
エミルの全身から力が抜けていく。それでもカインは動かずにエミルの瞳を覗いた。
蒼く澄んだ瞳の中に次第に艶が混じっていくのが判る。
「なの、に…今は…女で良かった、なんて…思っちゃって…なんて賤しい…んっ」
背に手を回し、カインが強く抱き締める。すると中での圧迫感が増し、エミルは何度か息を荒くつくと顔を上げカインの瞳を見た。
「そうだな…お前が…女で良かった」
「…カイン…」
「こうして、ひとつになれるからな…」
そしてより心と身体が深く繋がっていく。

ふと、首筋に手を触れたくなった。
ゆったりと律動を繰り返すカインに手を伸ばし、頸動脈の辺りに触れる。
「エミル…」
そこは力強く血液が流れ、脈を打っている。
そっと力を込めると、指先が熱くなった。
―――このまま力を込めれ、ば…
邪な思いがエミルの中に現れ始める。
―――このまま、喉を掻き切れば…
「はぁ…ん…っ!」
カインはゆっくりと己を先端まで引き、再度胎内に埋めこむと大きく水音が響いた。その咽せるような圧迫感に耐えられず、エミルはカインの首に腕を絡ませる。
「…殺したいか…俺を」
「そ、そんな…こと…は…っ…あぁ!」
「…ゴルベーザが、お前に施した洗脳は…」
「?!」
「洗脳の解けた、俺を殺すように…仕向けた筈、だ」
深く奥へ押し込めると、エミルが一際高く喘ぎ声を上げた。すると繋がっている合間から温かくぬるりとした愛液が溢れシーツを濡らす。
「違う…ぁ…あっ…殺すなん、て…」
「……」
それから強く何度も律動を繰り返した。
その激しさにエミルの頭の中が白く濁り、ただ与えられるままにカインを受け止めていた。
「ああっ!あ…あはっ、ん…だめ…!!」
部屋の中で喘ぎ声が大きく響き、歓喜で胸が詰まる。
「カイ、ン…カイン!や…だ…!」
エミルは首を振って否定をすると、カインは優しく口付けを返す。
涙が溢れる度にカインの唇が瞼に触れる。

―――カインを自分だけのものにしたい。
この手で殺めて、閉じ込めて、そして…

エミルはそんな奥底に隠れていた心に、必死に抗っていた。




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