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「◆FF4 カイン夢小説」
恋のかけら(長編)

FF4 恋のかけら 37

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Final Fantasy IV・Dream Novel
恋のかけら・37



「シド殿の事はお任せ下さい。万が一敵が襲ってきてもこの爪で仕留めてみせますぞ」
ヤンは飛空艇を降り歩き始めた四人に向かって手を振って見送った。

マグマが冷えて固まり、粘土を含んだ黒い大陸を歩く。時折粘着質な土が足裏に絡みつき、小石と擦れジャリ、と掠れた音を立てた。
脇を見ると、所々にまだ固まりきっていない液状の溶岩流見え、揺らめいている。
「泥岩の隙間にはまると、泥に飲み込まれて厄介だ。足を取られないように、気を付けて歩いてくれ」
金属製の鎧が重く感じる。地底全体が籠もっているのだろう。湿気で額から汗が滴り落ちた。
「カイン」
「何だ?」
横を歩いていたエミルが訊ねる。
「貴方はどこまでゴルベーザについて知っているんだ?」
「…何故そんな事を聞くんだ」
反対にカインから疑問を投げかけられ、エミルは返答に困まり、目線を少し逸らす。
「いや、捕らえられた時に、アイツの顔を見たからさ…」
「……」
カインは顔だけエミルに向けて見ている。
「もしかして、カインもアイツの顔に…」
そのカインの表情に違和感を感じ、口を噤んだ。何か胸の中がモヤモヤとする。それを言葉にできずにただ黙るしかなかった。
「…愚問だな」
そう、例え自分達で想像しても、それが答えではない。
小さく溜め息を漏らし、カインは一言だけ呟いた。

「気を付けろ!魔物が来る!」
セシルが剣を鞘から抜くと同時に、カイン達も武器を構える。
先程の赤い翼と他国の軍との戦闘で刺激され、魔物達が勢いづいてきたのだろうか。
「数は1、2…3体か、相手は炎の魔物だ。ローザ、僕の後ろで援護を頼む。カインとエミルは魔物の脇から攻めてくれ」
素早くセシルは指示を出し、それに併せてフォーメーションを組んだ。
目の前に佇む魔物達は皆炎を纏い、紅蓮の如く襲いかかってくる。
盾で防いでも、その熱で皮膚が焼け付いてしまう、セシルは剣で流すように防御を促すと、素早く魔物の体に剣を突き刺す。
「エミル!」
「判った!」
学生の時代、カインとよくやった組み手を思い出し、敵の猛襲を避け剣を振り上げる。
カインが魔物を引き付けて、その隙をつく。
「逃すか!」
エミルが剣先を深々と魔物の頭から胴体にのめり込ませると、ザックリと肉と骨の裂ける感触が剣から伝わる。地上の魔物と違い、炎に耐久性を持ち、皮膚が厚く丈夫に進化しているようだ。ミスリルの剣だから一刀両断にできた。
しかし身体から発する熱が鉄製の柄まで届き、その熱さで顔を歪めた。
「天へ導く癒やしの光よ…」
ローザは手を合わせ天に祈りを捧げると、セシル達に淡く白い光が天から降り注ぎ、焼け付く体に僅かな癒やしとなった。
「ここに留まっていては埒があかない。この戦闘を抜けたら走るぞ!」
それを合図に、セシルが真ん中に立つ蜥蜴の形をした魔物を剣で切り裂くと、後に続く皆が走り出した。
「あれが、地底の城か?」
暫くカインが先頭を走っていたが、目の前の城に気がつき足を止める。
「そうだ、僕が見たのはあれだよ」
「凄い…!」
セシルが指をさした方向に目を向けると、エミルが驚いて思わず声をあげてしまった。
その城は地上では見たことのない造りをしていた。門前の篝火には地上で戦っていた戦車と同じ旗が翻っている。
「話し合いか?セシル。この構えは相当な戦闘国家だろう。話が通じる相手かどうか」
「確かにね、カイン。それでも行かなきゃ」
例えるなら『城塞』とでも言うのが当てはまる。
女帝達が治める優雅なトロイア国や、砂漠の国エブラーナとはまるで違い、唯一宗教国家のファブールさえここまで鉄壁な造りではなかった。
城壁は全て鉄で囲われ、敵の侵入は完璧に阻止できる。
恐らくゴルベーザ率いる赤い翼も、攻城戦には困難を極めただろう。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか…」
「セシル?」
「どっちにしろここの王に会わなきゃいけない。ゴルベーザの侵略を止めるんだ」
城へと続く吊り橋の前に立ちながらセシルが呟くと、ローザが不安そうにその顔を見ていた。
「きっと大丈夫さ、ローザ」
セシルはローザの肩を優しく撫で、次に門番らしき人物に向かって歩き出した。

「ラリホー!」
「……」
「ここはジオット王が治める、ドワーフの城!」
意気込み門の前に立ったが、人間族よりも一回り小さなドワーフの門番に声を掛けられた。
「…僕達は地上のバロン国から来た。ここの王に会わせて欲しい」
黒々と髭の生えた門番は、ジロリとセシル達を見回したが、やがて笑顔に変わり、門を開け始めた。
「ゴルベーザ悪い奴ー!でもあんたら、そうじゃないみたい!ジオット王に会うといいー! 」
「…だ、そうだ」
カインは一番後ろに立ち、腕を組んで様子を見ていたのだが、ドワーフの仕草がおかしかったのか今は片手で顔を覆い逸らしている。
「ありがとう。これから王に謁見するよ」
黒々とした武骨で優しいドワーフに、セシルも笑顔で返した。

城の中は表の頑強な構えとは違い、広々としていた。見渡せば広間でドワーフの兵士ばかりが集まり、柱や壁には先程の戦闘の爪痕が生々しく残っている。
「やはりここも赤い翼に攻められていたか」
救護室の前を通ると、大勢の怪我人が治療を受けていた。
「いくらここが鉄壁とは言え、ゴルベーザの指揮では敵うまい」
「うん…」

そしてカインとセシルは、城の中でも一際大きな扉の前に立った。




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