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「◆FF4 セシル×ローザ」
Melody(メロディ)(中編・R-18)

FF4 Melody(メロディ) 2

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story2・All My Loving


「ん~もう!!」
これで三回目の溜息。
あれから何回時計を睨んだだろうか?
セシルの為にと作った夜食はすっかり冷め切っていた。 
「セシルのばか!」 
壁にかけられた木枠の時計の短針は、もうすぐ次の日を指そうとしていた。
「……」
静かな夜に針の音だけが響く。
赤い翼隊長時代からバロン城の西側に宛がわれた彼の部屋は小さくまとめられ、たまにお手伝いさんが清掃しているからか、塵一つなく綺麗だった。
荷物はあまりなく、中央に食事をする為のテーブルがひとつ、あとはベッドと数個の棚と本のみで、それは彼らしく清楚にまとまっていた。


ローザはテーブルに両手を軽く叩きつけると、そのまま勢いよく突っ伏して、ひたすらセシルの帰りを待っていた。
ふわりとした長い金髪がするするとにテーブルに流れ落ちる。
「なにが『早めに帰るから』よ!遅いわよっ!」
会えない寂しさと、苛立ちがローザの中で交互に揺れていた。


「この紙の事も聞きたいのに…」
テーブルの上に折りたたんだ紙を置く。それを指で何度か突っついた。
答えてくれる彼の人は未だ帰ってこない。
こんな事は以前に何度かあった。セシルはあの大戦の後、英雄として、また時期王としての素質を見出され、各地で講習や講演などに呼ばれる事が多くなった。まだ絶えぬ魔物の掃討作戦の指揮も任され、セシルの性格上、断る事も出来ずに毎日忙しそうに回っている。
バロンの使者として世界を回っているのも、平和を唱える傍ら、青き星を救った英雄がいる国としてのイメージを良く見せるため、大臣達から頼み込まれた行事だったのだ。
「セシル…無理しすぎ…」
人差し指でテーブルをなぞる。表面は木材が美しく磨かれ、俯くと自分の顔が良く見えた。
「…怒っちゃ…だめよ」
鏡のように映る自分を諌め、そしてまた目線は時計へと移る。


「ただいまーっ」
突如、家の出入り口から威勢の良い声が響き渡った。
待ちくたびれ、ウトウトとしかけたローザは急に聞こえてきた声に驚き、身体が跳ねた。
この声は!
「セシル!」
どんなに腹がたっても、寂しくっても、好きな人が帰ってくれば自然と笑顔が戻ってくる。
意気揚々と急いで声のする方へと走って向かった。
「おかえりなさ…」
「ん…?おや?」
出入り口付近で立ちすくんだセシルは、怪しげとばかりに辺りを見回している。
「セ…」
その態度に、言いかけた出迎えの言葉が止まってしまった。 
「んー…」
(こ、これは……)
セシルの様子がおかしい!
「セシル…」
それでもローザは再度出迎えの言葉を言おうと笑顔をつくる、だがセシルの様子は尋常ではなかった。
足元はふらつき、顔はうっすらと赤みを帯びている。
(もしかして!)
「あ、僕としたことが家を間違えたみたいだ!すみません!」
軽く会釈をして、 再び外に出ようとに木製の扉の手摺に手をかける。
そんなセシルの様子に驚き、慌ててその腕を掴んだ。
「セシル!ここはあなたの家よっ」
「…あれ?ローザ?」
飄々としたセシルの態度に、ローザは疲れが一気に湧き出て、ガックリと肩を落とした。
(酔ってるー!シドね!誘ったのは!)
「あれ?なんでローザが僕の家に?」
「さっき会った時に、行くって言ったじゃない!」
酔ったセシルの体を支えながら、部屋へと促す。 
上機嫌で問うセシルの反面、ローザは疲労困憊で倒れそうだった。
やがて部屋の奥へと進むと、酔いでぼうっと突っ立っているセシルの背後に回り、上着のマントを脱がす。
薄着一枚になり、その均整のとれた体が汗ばんでいた。
「汗が凄いわ、流す?」
「ん…」
果たしてローザの言った意味を理解しているのか判らないが、曖昧な答えをセシルは返した。


セシルは普段、酒を飲まない方だった。
いつもはたしなむ程度に抑えている筈なのだが、どうもシドと一緒だと一定量を軽く超えてしまうらしい。
気の会う友と飲み合うのは、毎日きつい仕事をしているセシルにとって、溜まった鬱憤を発散するのに良いのかもしれない。ローザは決して酔いつぶれるセシルを責めようとは思わなかった。
過去に何度もこんな姿を見てきたローザは、慣れた手つきで浴室へと誘導させた。
だが、セシルは呆けた頭を俯かせ、服を着たまま浴室へ向かおうとしていた。
「だめよ!服!服!」
慌てて呼び戻す。
もう こんなセシル誰にも見せられない……
と、ローザ半分呆れ顔でセシルの服を脱がせ始めた。
肌は白く、普段服を着た状態では華奢に見られる事もしばしばだった。だが露になった身体は見違う程鍛えられて美しい。


…でも、もしかしたら、こんなセシルを見られるのは私だけかも?
ちょっと複雑な、嬉しいような思いも交錯していた。


「ごめんね、ローザ。遅くなっちゃって」
「ううん。いいの」
酔っていても、約束を覚えていてくれた事が何よりも嬉しかった。
料理は冷めてしまったけど、彼と一緒にいられるからいいね…
そんな事を考えながら、セシルを浴槽へと送る。


「ふう…」
浴室に送った後、少し溜息をつきながら、ローザは再度部屋の中央にあるテーブルに着こうとした。


──その時。


「冷たいっ!!」
セシルの驚いた声が聞こえてきた。
もしかして、酔ってるから蛇口から水を出してしまったのかしら?!
と思い、慌てて立ち上がり、ローザは浴室の扉を開けた。


「セシル!大丈夫?!」
しかし、浴室からは白い湯気が立っていた。
「え?」
ローザは目を丸くする。 
蒸気で曇りがちの浴室で、セシルの表情はよく見えなかったが、どうやらこれは冗談だったらしい。セシルはイタズラに引っ掛かったとばかりに、嬉しそうにローザを見つめていた。
「騙したのね!やーね」
「ふふ…この間のお返しだよ」
以前セシルもその手で引っ掛かったのだ。
「もう!早く浴びてでなさい!」
ローザはふくれっ面になりながら振り返り、浴室のドアを勢いよく閉めようとした時、セシルが呼びとめた。
「ローザ…おいで」
「え…だって、ここ浴室よ…」
そのまま入ったら濡れてしまうわよ、と付け加えようとしていたが、ローザを見つめているブルーグレーの瞳に甘い時を思い出させた。


「……」
一度だけ──お互いの肌の熱さを確かめ合った。
あの時からもう幾月たっただろうか?


「……っ」
甘く見つめるその瞳に導かれるように、ローザは自然とセシルのもとに歩み出した。
「いい子だ…」
足が濡れた床を歩く度にぴちゃぴちゃと音を立てる。
セシルはその腕を掴み、自分の腕の中に引き寄せた。直に肌が触れ合い、熱い吐息が交わる。
徐々に浴室内の蒸気で、ローザの服は見る見るうちに湿っていく。


「髪…また伸びたね」
以前に、ローザが伸びたセシルの銀髪を散髪した事があった。それから幾日がたったのだろうか、もう肩よりも下に触れていた。
ローザは胸に抱かれたまま、腕を挙げると指に髪を絡ませ、その輝く銀髪の感触を確かめる。


「勝手に伸びるんだよー!」
まだ酔ってる…と、再度ガックリとローザは肩を落とした。


不意にローザを包んでいる腕が強くなる…ローザは息が詰まりそうになり、顔をあげた。その瞬間、片手でローザの顎を持ち上げた。
「酔ったときのキスはまた違うんじゃないかな?」
と言った途端、頭を下げる。髪がローザの頬に触れ、唇を自分のものに合わせた。
始めは軽いキス、それから徐々に深くなっていく。
「ん…ふ……」
微かに感じるアルコールの味。それが頭の中を溶かし、意識を混濁させる。
セシルは熱い舌をローザのものと絡ませ、逃がさなかった。時折、淵を舐めるように触れると、ローザの腰は痺れたように疼く。
それは体中を巡り、自然とセシルの動きに合わせるようになっていった。
倒れないように、腕を首に回し、きつく抱きつく。


──熱い…


やがて熱に耐え切れなくて、ローザは少し抵抗するように腕に力を込ようとするが、なかなか思うように力が入らなかった。
蛇口から出てくるお湯は止めどなく流れ、二人を蒸気で包み込む。
静かな部屋から水音だけが響き渡る。だが、二人には何も聞こえなかった。
夢中で何度も求め合う。
舌先を絡ませ、甘い声をだそうとするローザの唇をまた塞ぐ。


「…ほんとに…違う…」
「だろ?」
少し唇を外して、ローザはすうっと息をついた。目は惚け、甘くセシルを見つめている。
「…ほら、感じてる。」
腰に手を回し、ローザを引き寄せ、頬へと軽いキスを送る。それさえもローザには刺激を与えられているように感じる。
「セシ…ル……」 
熱い気持ちは段々高まり、お互いの視線を絡め合う。


──どこをみているの…?


ローザの腰を抱えていた手を徐々に上げ、服の中に滑り込ませ、その白い肌を触る。
「…ぁ…」
びくっと身体を震わせる。 暖かく濡れた手の感触が、ローザを甘美へと誘う。
「服…濡れちゃったね」
セシルが耳元で甘く囁く。 浴室の湿気と彼の濡れた体で、ローザの薄い服は湿り、しっとりと透けている。
ローザの背をゆるりと摩る大きな手が前に移動し、服を脱がそうと片手はローザのショールを縛る紐を、そしてもう一方の手は、豊かな胸に触れてきた。
「あ…」
その刺激に、小さく声をあげ、ビクッと震える。
紐は意とも簡単に解け、床へと落ちる。体を覆っていたショールはやがて支えがなくなり、自然と床へと舞い落ちる。そして胸を覆っていた白いキャミソールの肩紐をセシルは口に咥え、肩からずらし晒す。その下からふくよかな胸が露になった。
「綺麗だ…」
酒が与える酔いは、セシルを大胆な行動へと誘う。その表情はいつになく艶を増し、ローザを蕩けさせる。
指先が胸の山をなぞり、頂の固さを何度も指で確かめ、その度に甘い声があがる。
「はぁ…ん」
「……」 
つん、と弾くように赤く染まる頂を指で弾くと、それに反応して、ローザの背も弾かれたように、びくっと仰け反った。
「いや……セシル…っ」
「ローザ…」
再び抱き合い、お互いの肌の熱さを感じあう。痛いくらいの抱擁が更に高みへと誘う。


しかし、愛撫に夢中になっていたセシルの手の動きが突然止まった。
「……?」
「…っ」
どうしたの?
と、ローザが声をかけようとした瞬間。
「き、気持ち悪っー!!」
セシルは慌てて口元を押さえ、洗面台の方へ走っていってしまった。
「……私の顔を見て言ったんじゃないわよね…」
ほほほほ…と苦笑いをして、お湯が流れている蛇口を閉め、ローザも浴槽を後にした。
湿った服を乾かそうとショールを脱ぎ、椅子の背もたれにかける。次いでローザは向かい合わせにあるもう一つの椅子に腰掛けた。
両肘をテーブルにつき、顎を乗せて溜息を一つ吐く。
「……」
あんな大胆なセシルは初めてだった。
先程のセシルの瞳を思い出すだけで、胸の奥がじんわりと熱くなる。
身体を求め合うのは本当に久しぶりだった。今まで仕事だからと我慢していたからなのだろうか、ローザは酔ったセシルに抗えずに身を任せていた。
あのまま……セシルに抱かれていたら。
どんな愛情を彼は与えてくれるのだろうか…そう考えるだけで胸の鼓動が早くなり、息が荒くなっていた。慌てて手を口にあて、息を吸い込み、落ち着かす。
暫く時間が経過した後、がたっと洗面台から物音が聞こえてきた。足音がしたかと思うと、別室から自分を呼ぶ声が聞こえてくる。
「なにかしら…」
立ちあがり、声のするほうに向かう。
「ローザ!続きをしようよ」
声は寝室から聞こえてきた。
ローザは立ち上がり、呼ばれた方へ移動する。そして薄暗い部屋を覗きこんだ。
「続き…といっても」
そのセシルの様子に半分呆れ顔をする。
「寝てますけど…」
セシルは洗面所から寝室に入ったとたん、ベッドに倒れこみ、寝息をたてていた。
よほどの量を飲んだのだろうか、気分がスッキリとした後、眠気が急激に襲ってきたらしい。
ローザはそっと、毛布をセシルにかけ、またまた溜息をついた。
「あーあ。毎日忙しいんだから…あまり無理をしないでね」
そっと耳元で囁くと、銀髪に口付ける。
「今度はいつ帰ってくるの?」
少し悲しそうな表情を浮かべ、リビングに戻った。


「結局あの落とした紙の事は聞けなかったわね…」
帰りの支度をして、外へ通ずる木の扉を開ける。
塔の階段を降りて城の庭に出ると、まだ肌寒く、慌ててショールをきつく肩に巻き、息を吐くとうっすらと白く曇る。
春と言えども、まだ夜は冷える。
見上げると月は消え、闇夜が雨雲に覆われて今にも雨が降り出しそうだった。





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Re: 次の展開が楽しみですね!

誤字脱字修正をしようとしたらコメントが!ありがとうこざいます~(^-^)
そうですそうです、セシル何やってんだよっ!と自分で書いてて突っ込みました(笑)
据え膳食わぬは…じゃないですが、待ってたローザが不憫すぎます。ってか、ヤル気満々なんですけどね(笑)
ほうほう、リクエストはそれですか(笑)このお話はかなーり前のもので、今書き直ししているのですが、セシルのタガを外すのが難しくてどうしてもソフトになっちゃうんですよね。
イメージもあるし。
カインならどうとでも激しくできるのに(ある意味失礼)、なんだこの差は…って感じです。
でもそこを何とか!もう許可が出たので、やりますよ(笑)後半、期待しててください!(笑)

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Re: NoTitle

確かに強気なローザが弄られて…(自重)なんて前に他の方からもリクエストを頂きました(笑)そうなんです。あんまり他でないと見ない話だと思うのですが、いかがですか?
カインはね~ムッツリの典型ですからね。書きやすいですよ。

おおっ!うちのセシルは英雄らしく見えますか?誉めて頂きありがとうございます。公式のセシルを眺めながら反省することがしばしばありましたので、こういって頂けると嬉しいです。

リクエスト、もしこの連載が終わりましたら宜しくお願いしますね(*^^*)

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Re: NoTitle

ああっ!最初のコメントも読みたかったです。何か文字とか制限があるのかな??
30話ですか?!頑張ります(笑)過去の作品をちょこちょこ直しながらなので、今現在で越えている、かもしれない。

そして今回もちょろっとセシルローザをアップしましたが、一応18禁。でもまーだまだ軽いですね(笑)
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