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「◆風光る・沖田総司×セイ」
空も飛べるはず(長編)

空も飛べるはず・第十三話

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遥かなる時間。
私の知らない時間を、あの動乱の世をあの娘はどう過ごしてきたのだろうか。

悲しくなかったですか。

それとも幸せに過ごしましたか。

時々私を思い出してくれましたか。


空も飛べるはず 第十三話



剣道部男性更衣室の扉がガラリと大きな音をたてて開いた。
「…沖田さんがいたのか」
「わっ!何ですか!斎藤がこの学校にいるなんて知らなかったですよ!」
総司突然目の前に現れた斎藤に驚き、思わず仰け反って叫び声をあげてしまう所だった。
「居たら悪いか」
「悪くない、ですけど…」
「俺からしたら何故アンタがここに居るのか謎だが。それに気配に気が付かないなんてアンタらしくない」
斎藤は来客用のロッカーを開けて、中に鞄や持参した胴着を仕舞い込む。
「いえ、ちょっと考え事してたんです」
昔からこの男は考え込むと身体まで機能停止をしてたなと、斎藤はぼやけた記憶を辿った。
「で、結論は出たのか?」
「いえ…あ、近藤先生に頼まれて今日から剣道部の臨時コーチを始めたんですよ」
「ほう」
話を逸らされた感じがして釈然としなかった。
「斎藤さんと一緒ですね❤宜しくお願いします」
「断る。俺は忙しい」
羽織っていた黒のコートを脱ぎ、ロッカー内にあるハンガーにかける。
「そんなぁ!また仲良くしましょうね」
「何故!大体アンタ前世の記憶があるなら俺の気持ちを知ってるだろうが」
ガチャリと、荒っぽくロッカーを閉め斎藤は苛立つ気持ちを押さえながら振り返ると、そこには哀しげに笑んだ総司が立っていた。
「ええ、判ってます」
「アンタだって…」
神谷が好きだろう、と出掛かる言葉を飲み込む。
そんな事は重々判っている。
「ええ、私の気持ちも変わりませんよ。私は神谷さんに出逢う為にここに居るんですから」
「……」
何を根拠に、と斎藤は思った。
そんな転生なんて今まで出逢った事もなかった。
自分や土方、近藤、それに他の皆も縁の者に会い過去を思い出したというのに。
「私が生まれたときから記憶を持っているのも、また彼女に逢う為なんだと思います」
「神谷本人は忘れているようだが」
京都で同じ道場に通っていた親友、富永祐馬の妹セイとは早くから知り合った。
斎藤は早くから幕末の記憶があり、戻った切欠はあの富永兄妹に出逢ってからだった。
幼い頃からセイを見てきたが、当時の『神谷清三郎』の記憶など微塵も感じない。
「ですね、だって約束したんですもん」
総司は窓の外に歩く生徒達を眺めている。
「…?」
「私は約束破ってしまいましたけどね」
黙るとシンと辺りが静まり返り、外で騒ぐ高校生の声だけが響く。
「…まぁ、いい。神谷が前世を思い出さないのなら今はアンタと同じ立場、つまりフィフティフィフティって事だ」
この期に及んで俺は何を言うんだ、と斎藤は胸中で後悔をしたが、再度灯った心の火をこの男にぶつけたかった。
「え…と…」
総司は視線を泳がし、言葉を選んでいる様子だ。斎藤は更に続けて言う。
「いや、違うな。神谷と長くいた分俺の方が優位だな」
「斎藤さん…」
少し、悲しい表情だった。
「今度こそ神谷の心は貰うぞ」
過去の曖昧な気持ちを二度と味わいたくなかった。男ではなく女としてセイがいるのなら、今度こそ幸せにできる自信がある。
「そんな…斎藤さんと争う気はないですよ。だって神谷さんは神谷さんだし…」
「アンタまだ転生をしても野暮天やってるのか」
「ああ!いえ!そんな判ってますよ。そんな事…私だって神谷さんの事…あの時から自覚してます」
総司は両手を振り慌てて否定をする。
「神谷が女装した時からか…」
「気持ちがハッキリしたのは神谷さんが出家しようと屯所を出て行った時からなんです。あの時からずっと私は…片恋をしていました。だけど私が労咳になって、あの娘が傍にずっといてくれて、江戸まで来てくれた時に」
「……」
愛しくても涙が出る、そう教えてくれたのはセイだった。
何度私はこの娘に泣かされてきたのだろうか。
そして何度私の為に泣いてくれたのだろうか。

「その時、両想いと判ったんです。この娘とは一生離れられない、きっとあの娘も願ってて。でも私はもう行かなきゃいけない。そう思ったから…最期に…」
「沖田さん、最期を思い出したのか?」
「はい、この間斎藤さんと試合をしていて思い出しました」
ニコリと笑む総司に、斎藤はそうかと小さく呟き頷く。
確かにあの試合の総司は尋常ではなかった。
(神谷の方は気が付いていなかった様子だったが…)
「何を思い出したんだ?」
「最期に二人で約束しました」
「神谷と…約束?何をだ」
「ふふ、内緒です」
「はぁ?」
総司のやけに明るい笑顔に斎藤は半ば呆れ顔になるが、直ぐにロッカーの鍵を閉めふいと背を向ける。

「神谷さんを縛りたくなかったんです…先に逝く私なんか追い掛けて欲しくなかった。神谷さんの幸せを私が奪うなんて権利はないから」
「…そう思っているのはアンタだけだ」
斎藤は廊下に出る扉へと歩んだが、ふと立ち止まる。
「斎藤さん」
「…そんな話を聞いて俺が揺らぐと思うな」
「この話は他言無用で」
無言でその場を立ち去る。その姿を見送った後、総司は有り難うございます、と小さく呟いて道場を後にした。


遠い思い出。
最期のあなたの言葉。
哀しいほど、心に流れ込んでくる。


「おい、セイ!帰ってきたら声かけろよ!」
放課後の部活を終え、クタクタになりながら帰宅をすると直ぐに二階へと上がろうとしたが、下の階にいた男に呼び止められた。
「あ、ゴメンナサイ!着替えてくる」
慌てて階段を昇り、勢いよく扉を閉め自室に閉じこもってしまった。
「…なんだぁ?アイツ?」
坊主頭の男、松本良順は隣にある診察室から顔を出すと、セイの慌てぶりに首を傾げる。

「疲れた…」
閉じた扉に寄りかかり、目を閉じ息をゆっくり吐く。
放課後も総司が臨時指導者としてセイ達部員の指導にあたることになり、再び顔を合わせたが何事も無かったかの様にセイに話しかけてくれた。
「沖田…せんせい…」
小さく呟く。
一年生ながらも全国へと進むセイを心から応援し、それ以上に厳しく教えてくれる姿が嬉しかった。
『大丈夫ですよ。富永さんならやれます!落ち着いて相手を見極めれば自ずと勝利が見えてきますよ』
『あなたの弱点は背が低い事ですが、それだけ素早い動きができる。懐に飛び込む戦略を考えましょう』
太陽の様な笑顔と優しい言葉を自分に向けてくれる、それだけで無敵になれる気がした。
だけど朝練の時に見た険しい表情を思い出し、ゾクリと背筋に冷たいものを感じる。
(先生は…風みたい)
ふわり、と暖かく包み込んでくれる春風の様な優しさと、真冬の様に厳しく鋭さを持った北風。
(私は…)

「セイ!メシ出来たぞ!道場に斎藤が来てたから呼んでこい」
「はーい」
松本の声に慌てて我に返り、急いで普段着に着替える。そして離れにある道場に向かった。

「斎藤先生。松本先生が夕飯出来たから一緒にどうですかって…」
「判った、今行く」
電気も着けずに薄暗い中で精神統一をしていたのだろうか、道着のままゆっくり立ち上がるとセイに向かってくる。
「それと…今日から部活でご友人の沖田先生が師範として来てくれたんですよ」
「あの人とは友人ではないが」
セイの持ってきたタオルを受け取り、滲んだ汗を拭き取った。
「え、だって、この間親しく話されてましたよね?」
「気のせいだ」
「えー、そうなんですか?」
スタスタと先を急ぐ斎藤の後を楽しげにセイは付いて歩いた。


次の日もセイは一番に朝練に行こうとはりきって早起きをしたのだが、またしても先客がいた。
「沖田先生。早い…」
「あ、お早うございます!今日も宜しくお願いしますね」
総司はニコニコと笑いながら軽く準備体操をしている。
「先生…眼鏡」
「え?ああ、剣道しない時は掛けているんですけど、外すの忘れてました。少々近眼なもので…似合いませんか?」
不安げな表情を浮かべる総司が何だか子供みたいで、思わずセイは吹いてしまった。
「いいえ、かっこいいです」
「ええっ!!そんな事言ってくれるのは富永さんだけですよ!嬉しいなぁ」
返した総司の笑顔にセイの頬がほんのり赤くなった気がした。

「水の…」
「沖田先生?」
「水の北山の南や春の月…なんて」
陽があたる窓を見つめ総司は小さく呟いた。
「え?」
「今ふと思い出した句なんですけどね、私の師匠が作ったんですよ。春を期待する良い句でしょう?」
ふと視線をセイに移す。
「はい、素敵ですね!」
ニコリと彼女は微笑み返した。


もし、思い出さないのなら。
もう一度初めからやり直せばいい。
あなたと私が初めて出会ったあの春の日みたいに。

そして、もう一度恋をしよう。






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